ニュー・シネマ・パラダイス

 少年の頃から彼は映画が好きだった。シチリアの小さな村に1つだけある古びた映画館で、彼は映写技師と仲良くなる。少年にとって映写技師は友であり師であり、父の代わりでもあった。やがて青年になり、夢を見失いかけた主人公に、映写技師は「村から出て行け」と言う。30年後、映写技師の訃報を聞いて帰郷した主人公を待っていたものは……。

 なんだか暖かい映画なんだけど、しんみりとしてしまう。多分その暖かさが追憶の温もりだから。エンニオ・モリコーネの音楽がじんわりとしみわたる。

 劇中では描かれないが、きっとアルフレードは安らかな笑顔で死んだのだろうと思った。漫☆画太郎の「あなたはこんな笑顔で死ねますか?」みたいな。

 30年後の、白髪頭の主人公に自分の未来を投影する。果たして僕は、こんな風に生まれ故郷を、今の日々を、振り返ることができるだろうか?
“映画”を愛している人なら、よりグッと来る作品なのだろうけど、映画に限らずとも何か夢を持っていれば、入り込めるかもしれない。
 僕は30年後に振り返れるような、素敵なインターネットBlogを書いていきたい。(CS)