たそがれ清兵衛

山田洋次監督。真田広之主演。ひょんなことから剣の腕が立つことを世に知られてしまったヒラ武士に、上意討ちの藩命が下されるという筋書き。表題は、いつも終業時間ぴったり、たそがれどきにまっすぐ家に帰ることから付けられた、主人公のありがたくないあだ名である。今で言うと、5時ちょうどに帰宅する経理のサラリーマンといったところ。だが、同時に幕末という、武士の時代のたそがれをも意味していたのだなあと思った。物語の舞台は、明治維新のわずか3年前の話。伊右衛門で見られる、真田広之宮沢りえの時代劇カップルがここで誕生していたことを知った。この映画の製作は博報堂なので、多分CMもその流れなのだろう。登場人物の服装や剣術などの細かい交渉も気が利いてて楽しかった。